商品ラインナップを増やすと売りやすく、売れやすくなる

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野菜や米、果物など農産物を売るときに、その商品名について考える農家はほとんどいません。
キャベツならキャベツ。
大根なら大根。
それ以外になにかあるの?と言わんばかりに、自分の育てたものをそのまま売っています。
でもこれって、
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と漠然と売っているようなもので、その商品にはどんな価値があるのか、どんな人を対象にした商品なのか、まったく伝わってきません。

せっかくこだわりをもって栽培し、誰のためにある商品なのかを明確にしているなら、その想いはちゃんと伝えるべきではないでしょうか。

商品に名前をつけるのは当たり前。
それは身の回りのさまざまな商品を見ても明らかです。
スーパーで野菜が
キャベツ、白菜、キュウリ
とネーミングもくそもない名前で売られているからといって、それを真似する必要はまったくありません。
むしろそんな状況だからこそ、あえて商品に名前をつけることで売りやすくなります。

今回は商品名のつけかたについて考えていきます。

 

小林製薬の戦略

小林製薬という会社があります。
医薬品、スキンケア製品、芳香消臭剤、医療機器の製造、販売を行っている会社です。

この会社の商品ネーミングセンスが抜群にいいことをご存知でしょうか。
一部をご紹介すれば、すぐに理解できるはずです。

小林トイレその後に

トイレその後に

トイレ後の悪臭をスプレーするだけでスッキリと爽やかにします。

 

小林チンしてふくだけ

チン!してふくだけ

ベタつき落としてニオイもスッキリ!

 

小林熱さまシート

熱さまシート

冷感ツブ配合!熱をギューツと吸い取る

 

いかがでしょうか。
なにがすごいかというと、商品名を聞いただけで
どんな場面で
どんな効果があるのか

はっきりと分かるんです。

トイレその後に、というスプレーが売っていれば、これをどんな場面で使えばいいのか分かりますし、これを使ったことによって臭いが消えるんだなというところまで想像できます。

熱さまシートは、熱を冷ますシートなんだなとすぐに分かります。
昔は熱が出たときにタオルを水で冷やしておでこに当てていましたが、その役割を担ってくれるんだとすぐに想像できますよね。

このようなネーミングは、誰でも簡単に思いつけるわけではありません。
センスやひらめきが求められるでしょうし。
でも、ここで言いたいことは

農産物にだって商品名があっていい

ということ。

誰のための商品なのか、どんな特徴をもった商品なのかを名前に反映させる。

こんな当たり前のことをやれていないのが農業の世界です。
加工品になれば商品名がつけられるのに、農産物そのものには名前がない。
そんな状況です。

 

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キュウリひとつとっても、

サラダに混ぜると美味しい
丸ごとかじりたくなる
漬物に最適
炒めると美味しい

というように用途、食べ方はたくさんあります。
また、子どもが食べやすいのか高齢者に好まれるのか、年齢によって分けることもできます。

サラダきゅうり

って売ってもいいじゃないですか。

塩漬けされたいキュウリ
炒め専用キュウリ

って売れば、使い方がはっきりしているから買いやすいですよ。

 

ラインナップを揃える

小さな農家の販売戦略は、顧客を絞り込んで目の前にドンピシャの商品を差し出すことだと思います。
幅広い層に呼びかけるのではなく、特定の人しか欲しがらないようなニッチな要望に、ピッタリと合ったものを提供していく。
大規模農業ができないような売り方をしていくことが、小さな農家としてやるべきことです。

さきほどのキュウリの例でいえば、漬物用のキュウリだと絞り込んだ時点で購入する人は少なくなります。
炒め専用だと言ってしまえば、サラダに使いたい人は買ってくれません。

でも。
漬物用のキュウリを探している人は買いますよね。
ふつうにキュウリとして売られているよりも、漬物用だと書かれていたらそっちを買いますよね。
炒めものにキュウリを使おうと思っている人は、確実に炒め専用キュウリを手にします。
ドンピシャの商品は買いやすくなるんです。


スポーツカー

たとえば、自動車を購入しようとしているときには、自分の中にある程度の要望がありますよね。
4人乗れて、燃費が良くて、荷物がたくさん積めて、だいたい予算はこれくらい。
といったような。
そして、その要望に合う車種があるのかを探します。
軽自動車、コンパクトカー、セダン、ミニバン、SUV、スポーツカー。
車種に豊富なラインナップがあるから、自分に合う自動車を見つけることができます。

もしキュウリにもラインナップがあれば。
同じように自分に合うキュウリを見つけやすくなります。
サラダ用、漬物用、炒め用、丸かじり用。
ラインナップはあるべきです。

そして、それぞれのキュウリに名前を付ける。
用途ごとに、買う人がそれはどんなキュウリなのかを見せる、商品名としてネーミングする。
ということです。

 

手間を増やさず商品を増やす

これをやると、商品ラインナップが増えることになりますよね。
ただふつうにキュウリをキュウリとして売っていたときは、商品点数は1です。
でも、サラダ用、漬物用、炒め用、丸かじり用というように用途ごとに分けてしまうと、商品点数が増えて栽培がすごく面倒なことにならないのか心配ですよね?
品種をいくつも用意して、もしかしたら栽培方法もすこしずつ変わってくるかもしれない。
そんな面倒はいやだと、思いますよね。

 

ここには少し誤解があります。
極端なことをいえば、用途ごとにキュウリを用意して商品名をそれぞれつけたとしても、キュウリそのものはひとつでも構わないんです。

ひとつのキュウリを、いろんな見せ方をして売る。

ということです。

キュウリマーケティング

キュウリには多くの価値があります。
食べたときのパリパリした食感、という価値に対して、

サラダに最適なキュウリ

という売り方ができますし、

子どもが食べて喜ぶ丸かじりキュウリ

という売り方もできます。
大切なことは、商品をふやすのではなく価値を増やすということ
それぞれの価値を求めている人へ、別々の価値を伝えることで、栽培の手間を増やさずに多くの商品を売ることができるようになります。

 

ここは間違えてはいけません。
もちろん生食に向いた品種もあれば、漬物向きの品種もあるので、それらを使い分けていくことは大切ですが、それよりも前にキュウリそのものが持っている多くの価値を拾い集めてそれを販売に活かしていくこともできます。

へたに品種を増やすと、栽培管理が面倒になるので小さな農家としては大変です。
商品をふやすのではなく価値を増やす。
この考え方を覚えておいてください。

 

すべては顧客のため

たくさんの価値を持っている商品を、それぞれの価値を求めている人に提示する。
そのときに商品名をつけることは有効な手段になります。
その価値を分かりやすく伝えるために、どんな場面でどんな効果があるのかをネーミングに組みいれることも大切です。
これは多くの商品を抱えるということではなく、商品が持っている価値をいろんな見せ方によって売り方を変えるということ。

これを消費者から見れば。
購入するときに自分にぴったり合う商品を選べるから買いやすくなります。
見せ方を変えるということは購入者にとってプラスです。
価値がはっきりしますから。

うまいこと言って売れたらいいんだ、という生産者のエゴではなく顧客目線に立って必要な情報を提供しているのだから、消費者・生産者の両者にとってよい方向に作用するわけです。


生鮮農産物にだって商品名があってもいい。
まずはその意識から変えてみてください。


 

 

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