機械選びのコツ 機械はつながっている

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現代農業において、農業用機械は欠かすことができない農具になっています。
耕すのも、畝を立てるのも、肥料を撒くのも、タネを播くのも、除草だって、収穫だって農機があります。
これらを駆使しなければ農業で利益を上げていくのは難しい、と言ってもいいくらい農家は機械に頼り切っています。

もちろんこれが悪いわけではなく。
うまく使いこなすことで農業経営はラクになりますし、働く農家にとって体力的・精神的にかなりゆとりが生まれます。
機械の使用が大前提で現代農業が成り立っていることは、疑いようのない事実です。

金銭的な事情から、欲しい機械をすべて揃えるのはなかなか大変。
いろんなところから情報を集めて、本当に必要な機械だけを購入するのがふつうです。
導入によって労働時間がどれくらい減って、費用対効果はどれくらいかを計算し。
まずこの機械を優先して購入し、次はコレ、といった優先順位をつけたり。
腰の負担が減るとか、ひざが曲がらないので機械があると助かる、といった身体面を考慮したり。

高価な投資だからこそ、検討に検討を重ねて購入に踏み切っています。
だからこそ。
一般的には語られない、機械同士の関係にも気を配ってみてください。
できるかぎり詳細まで詰めて、買ってから

あーしまった!

ということのないようにしたいものです。

 

便利ツールは本体に合わせてカスタマイズするもの

スマホアプリ

ちょっと分かりにくい話ですので、例えをひとつ挙げてみます。
スマホはお持ちでしょうか?
スマートフォンです。
このツールはもともと携帯電話という位置づけで存在しているものですが、メールができたり、SNSが使えたり、カメラ機能や動画撮影機能があったり、音楽が聴けたり、目ざまし時計になったり、たくさんの機能がプラスされています。

このスマホ、みなさんは自分仕様にカスタマイズしたりしませんか?
アプリをダウンロードするという方法で、スマホにいろんな機能を追加することができますから。
LINE、ツイッター、インスタグラム、facebook
音楽配信、電子書籍
ショップ系アプリ
ゲーム
万歩計、家計簿などの便利ツール
ありとあらゆるアプリがあるなかで、自分が必要なものをチョイスして使ってますよね。

この多様にあるアプリのなかで。
facebookアカウントやGoogleアカウントがあればログインできますよ、といった連携アプリがあります。

facebookとLINEを連携させたり。
LINEとゲームアプリを連携させたり。
facebookアカウントで会計ソフトアプリにログインしたり。

それぞれのアプリを連携させることで、データを連動させたり、面倒なログインログアウトをなくしたりしています。

このことを農業にあてはめてみると。
農家の経営もしくは栽培には便利なツール(農機具)がたくさんあって。
そのなかから自分に必要なものをチョイスして農機具を揃えていきます。
このとき、連携アプリのように農機具同士の関連付けがしっかりとできていれば、面倒な作業が減ったり効率が上がったりするわけです。

 

連携事例1

ハンマーナイフモア

ハンマーナイフモアという機械があります。
これは地面から上の草をチップ状に、粉々に粉砕する機械です。
人の背丈ほどに伸びた草をバリバリと粉砕していく素晴らしい機械で、これがあると草を処理するスピードが格段にアップします。
私はこれを研修生の頃に知り、絶対に必要だと思って就農1年目に購入しました。

ところが。
ハンマーナイフモアは、草を粉々に砕いてその場に落としていきます。
地面を覆い尽くすほどの、チップ上になった草の量。
そこをトラクターなどの大型耕耘機で走れば、大量の有機物を土の中にすきこむことができるので緑肥栽培として最高の仕事になります。
ですが私の場合、家庭菜園で使うような小さな管理機一つで耕耘作業をしていました。

管理機ykmk
(画像参照:ヤンマー

そんな小さな機械でこんもり積もった草の上を走るとどうなるか。

草が多すぎて耕せなかったんです。

ロータリーが回らない・・・。

ハンマーナイフモアは、大量の有機物(草)を畑に供給できる非常に素晴らしい農機だと思います。 
でも、その草をすきこめるだけの能力を持った耕耘機がなければ、いくらバリバリ草を砕いていっても宝の持ち腐れになってしまいます。
(もちろん単純に草刈り性能としてみれば優秀です。不耕起栽培をしたいなら草管理には最高の農機ですし。)

ハンマーナイフモアと管理機。
両方を揃えたにもかかわらず、
管理機の能力が低いばかりにハンマーナイフモアの性能を十分に活かすことができませんでした。
結局、就農してから3年目ぐらいにはハンマーナイフモアを使わなくなってしまうという結果に。
今では管理機よりももう少し大きな、馬力のある耕耘機を使っているのでハンマーナイフモアが大活躍してくれています。

 

連携事例2

耕耘機と畝成型機と軽トラック。
3つの機械の関連性について。

耕耘機イセキ

トラクターや耕耘機には耕すためのロータリーがついており、新品で購入するならロータリーの幅は選べます。
中古で購入するなら、ロータリー幅をみて機種を選びます。
その幅は、たとえば60cmとか75cmとか。

 

 畝成型機の幅

畝成型機は、名前のとおり畝を立てることができる農機です。
畝を成型するための培土板は可変式なので、畝幅を変更することができます。
60cm幅の畝もつくれるし、180cm幅の畝だってつくれます。

もし2つの機械を揃えたいと考えているなら。
機械を購入した時点で耕せる幅が決まっている耕耘機に合わせて、採用する畝幅を決めたらいいですよね。
仮に耕耘機の幅が60cmであれば、畝幅を120cmにすればいい。
耕耘機を往復すると60cm×2=120cmになるので、畝成型機の設定を120cmの畝が立つように合わせればいいわけです。
(厳密にはちょっと違うんですがここではわかりやすく説明してます)

畝幅の説明

 

じゃあここで。
耕耘機の幅が75cmだから、畝成型機の幅を150cmに設定したらどうなるか?
先ほどの例でいくと
耕耘機の往復75cm×2=150cm
となり、畝成型機とじゅうぶんに対応しています。
大丈夫な気がしますよね?

でも。
圃場があちこちに分散していて、機械の移動を軽トラックで行っているとしたら・・・。
畝幅を150cmに設定した畝成型機は、じつは軽トラックの荷台にはそのまま乗らなかったりするんです。
機械の横幅が広すぎて。
軽トラックの荷台からはみ出してしまいます。

もちろん畝成型機の幅は可変なので、軽トラックに乗せるたびに調整すればいいです。
けど、それなりに面倒だったりします。
であれば、軽トラックの横幅を考慮しなければならないですよね。
軽トラックの横幅をMAXとして、その幅に合わせて耕耘機の幅も決める必要があります。
たとえば軽トラック横幅からすると畝成型機の幅MAXは130cm。
ということは耕耘機のロータリー幅は65cmがちょうどいい。
といった具合。

たんなる例にすぎませんが、軽トラックと耕耘機と畝成型機。
ひとつひとつを好きなように購入してしまうと、機械同士の関わりや制約によってはうまく回らないことがある。
これは頭に入れておいてほしいと思います。

 

機械はつながっている

農業の現場ではさまざまな農業用機械を使います。
それらは作業を効率的にこなすためのツールですが、ツールを最大限に生かすには全体が見えていたほうがいい。
便利だと思って安易に飛びつくと、ほかの機械との相性が悪くて効率が落ちることがある。
今回はそんな話でした。

安い投資ではない機械購入。
慎重にいろんなことを検討しながら、買ってよかったと思えるような機械をそろえていってほしいと思います。

 

 

今回のチェック

●機械の購入は費用対効果や優先順位を考えて慎重に選ぼう

●機械同士の関係性まで考慮すると、さらに後悔のない選択になる

 

 

 

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