宅配について 送料・業者選び・梱包など

y3000-14

今回は宅配の話。

農協出荷や地元のスーパー、直売など地域密着で農業をやっていれば関係ありませんが、例えばネット通販のように自分で顧客をつかんで直販していくときには、商品の配送を業者に依頼することになります。
ヤマト運輸とか佐川急便とか。
もともと商売の経験があれば、宅配に関しての知識を持っているかもしれませんが、サラリーマンとしての社会経験しかなければ、いわゆる業者配送はよくわからない世界だろうと思います。

どの業者に頼んだらいいのか。
送料は交渉できるのか。
段ボールはどんな仕様がいいのか。
梱包の注意点は?

など。
私自身の経験をもとにした話になりますので内容には偏りがあると思いますが、参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

どの業者に頼んだらいいのか

業者選び

宅配業者にはそれぞれ得意分野があります。
大型荷物の配送を得意とする業者もあれば、家庭向けの個別宅配を得意とする業者もあります。
引っ越し業を得意とする業者もあります。
そのなかから、農産物をしっかり丁寧に扱ってくれる業者を選ぶことが大前提となります。
米を発送するのか、野菜を発送するのか。
これだけでも選ぶべき業者は違ってきますが、基本的に一般家庭向けの配送もしくは飲食店向けに個別配送する場合、

ヤマト運輸
佐川急便
日本郵便(ゆうパック)

のトップ3を利用することがほとんどだと思います。
というのも、生鮮食品の場合は冷蔵サービスが使えなければ話になりませんし、受け取り側の都合を考えると時間指定は必須でしょう。
となると、さきほどの3社に必然的に絞り込まれてしまいます。

ではこのなかで、どの業者が一番良いのか。
これは何とも言えません。
ただし、サービスの質という点でいえばヤマト運輸が素晴らしいです。
もちろん対応はドライバー次第ですし、ヤマトだけが飛び抜けて優秀とは言い切れませんが、業界最大手だけあってサービスがきめ細やかで安定しています。

価格面では、大口取引の交渉をしやすいのが佐川急便や日本郵便(ゆうパック)。
これも営業所の責任者次第になりますが、業界最大手で強気の交渉をするヤマト運輸に比べると、シェア拡大を目指す佐川急便とゆうパックは低めの数字になりやすい傾向があります。
あと余談に近いですが、佐川急便の荷物の取り扱いはかなり雑だという話を聞いたことがあります。
私自身、地域の荷物が集まってくる集荷場(ターミナル)でアルバイトをしたことがありますが、スタッフの仕事ぶりを見る限りでは、やはり荷物の扱いが少し乱暴かなという印象を受けました。
まあそれが佐川急便の全体像を表しているわけではありませんが。

送料は出来るだけ安いほうがいい。
お客様のもとへ商品が届くまでの丁寧なサービスを重視したい。

なにを優先するのかによって取引先は変わってきますが、各社それぞれに特徴があることは知っておいてください。

 

送料は交渉できるのか

宅配業者との取引については、大口取引契約というものがあります。
月に●個、年間■個出すから、1つあたりの送料を少し安くしてよ~という契約です。
この価格交渉は、宅配業者の本部と行うわけではなく、各営業所と交渉することになります。
これはつまり、送料の価格決定権は営業所の責任者が担っているということ。
その責任者が厳しい価格設定を要求してくれば、なかなか低単価では取引できないでしょう。
逆に、わりとゆるい感じであれば、比較的たやすく低単価が実現できるはずです。
とにかく担当者次第、という感じですね。

ちなみに。
価格交渉をする時には、相見積もりを取ることも可能です。
佐川さんではこれぐらいの送料を提示してくれましたよ、といってゆうパックに交渉するとか。
まあ、あんまりやりすぎて取引できなくなる事態だけは避けたいものです。

 

段ボールの確保、規格

108151

発送に使うダンボールに、農園のマークが入っている。
なんとなく憧れますよね。
ブランド価値を高めていくために、自社ロゴを積極的にアピールしていくことは大切でしょうし、梱包が丁寧でオリジナリティがあると付加価値がつくのも確かです。
それは初めて買ってくれたお客様へ送るときや、贈答品として特別な贈り物にするときなどは極めて有効だと思います。
ですが、たとえば同じお客様へ定期的に発送するとき、毎回こぎれいなダンボールを使う必要があるんでしょうか?
定期購入のときに求められるのは梱包の良し悪しではなく、商品そのもののクオリティです。
梱包にお金と手間ヒマをかけるくらいなら、量を増やすとか安くするとか他にやることがあるでしょ。
といった感覚ではないでしょうか。

 

diary111011-01

であれば。
発送に必要なダンボールを、例えばペットボトルが入っていた使用済みダンボールを使いまわす。
こういうのはスーパーや酒屋などでもらえますよね。
もちろん受け取るお客様がそれを了承してくれることが前提ではあるけど、使用済みダンボールはタダで手に入るんだからそれをお客様に還元することだって可能です。

 

大事なことは、お客様の声をしっかりと汲み取ること。

きれいなダンボールが求められているのか、それとも中身さえしっかりしていれば箱なんてどうでもいいと思っているのか。
そこに寄り添うことができれば、無駄なところにコストをかけなくて済むようになってきます。
これはダンボールに限った話じゃないですね。

ちなみに。
必要なダンボール数を確保することは、発送数が多くなると難しくなってきます。
発送件数が少ないころはなんとかかき集められたとしても、毎回何十件分ものダンボールを集めるのはなかなか骨が折れます。
まとめて手に入るところが運よくあれば、そんな苦労もありませんけどね。

あとは、箱のサイズがバラバラになるという問題が。
これは出荷作業時の作業効率に関わってきたり、業者に支払う送料とも関連してくるので、同じ規格で箱を揃えたほうがいいと判断するときは使用済み段ボールを使えません。
あくまでも選択肢のひとつとして、使用済みダンボールを使えることもあるという話です。

 

宅配のネックは送料

配送料

個別配送では、商品価格に対して送料がどうしても高くなってしまいます。

1000円の商品を買ったら送料が700円かかる。

それって購買意欲を失わせますよね。
お試し購入とか贈答品とか、そのときかぎりの発送であれば多少送料が高くても買ってみようかと思うお客様はいらっしゃいますが、定期購入など続けて買うときには送料の負担が重くのしかかって感じられるものです。

こんなときの対策がいくつかあります。
お客様に負担を感じさせない工夫、ということですがひとつは

顧客単価を上げる

という単純なもの。
1000円の商品に対して送料700円かかるのと、5000円の商品に送料700円では、送料負担のイメージがまったく違います。
インターネット通販では単価の高い商品を売れ!
というセオリーが存在しますが、これがまさに送料との関係を如実に表しています。
確実に送料がかかるネット通販は、安い商品は売れないのが常識。
もし安い商品を売りたいなら複数の商品を買ってもらうなどして単価を上げるべきです。

実際、

3000円以上ご購入で送料無料

といったショッピングサイトを見たことがあるのではないでしょうか。
商品の単価を上げるか、複数の商品を並べて顧客単価を上げるか。
いずれにしても送料を負担に感じさせないような売り方をしなければなりません。

 

お客様に送料負担を感じさせない工夫、もうひとつは

送料込みで提供する

という手法です。
たとえば2000円の商品を売るときに、
2000円+送料700円=2700円
という売り方ではなく
送料込み2700円
と提示するということ。
もしくは
2700円(送料無料)
とか。

実際はもちろん送料をかけて配送するんですが、とにかく大切なことは
お客様に送料負担を感じさせない
という一点のみ。
このあたりの心理テクニックをうまく使えるようになると、業者による宅配でどんどん商品を売っていくことができるようになります。

 

 

インターネット通販による物流量がどんどん増えていく時代。
これからますます宅配が当たり前になっていくと思います。
そんなときに宅配業者をうまく使っていくことは、商売としての農業経営では必須のスキルでしょう。
業者との大口契約したいけど、交渉するの苦手だなぁ。
なんて言ってる場合じゃありません。
やっぱ綺麗な箱でロゴが入っているとかっこいいよね、と見栄を張っている場合じゃありません。

泥臭く、堅実に、宅配をうまく活用していきましょう。

 

 

今回のチェック

●業者選びはそれぞれの特徴を理解して大口契約しよう
●ダンボール代はけっこうバカにならない
●お客様に送料負担を感じさせない仕組みを作ろう

 

 

 

関連記事