マニュアル無視!株間や条間は自分に合った最適値を探す

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栽培の参考書、読んでますか?
書店に行くとずらりと●●の育て方、みたいな本が並んでいますよね。
そのなかには
トマトは株間40~50cm、畝幅は120cmで植える
キャベツは株間30cm、畝幅が120cmなら2条植えにする
といった栽植密度についての数値が書かれています。

この数値、そのまま信じていませんか?
本に書いてあるから間違いない、と考えてその数値をそのまま採用していませんか?

なぜその数値なのか、その数値は自分にも当てはまるものなのか。
しっかりと考える必要があります。

株間や条間の最適値は、栽培者によって異なる。

という事実を今回はお伝えしていきます。

 

教科書の数値はだれにとっての最適値?

耕種一覧表-葉菜類
(画像参照:タキイ種苗 耕種基準一覧表

書籍などに書かれている株間や条間は、どんな根拠に基づいて決められているのでしょうか。
個人名で出版されている書籍であれば、もしかしたら著者にとっての最適値が書かれているのかもしれません。
その著者が、自分の畑で栽培をしていくなかで、この品目ならこれくらいの株間や条間がいいだろうという結論を出す。
それを書籍に載せる、というわけです。

でも高校の教科書になるような書籍や、著書が個人名であってもあくまで編修・監修しているだけ、といった書籍に書かれている株間や条間は、個人的な最適値を載せるわけにはいきません。
それなりに根拠のある数値が必要です。

その根拠とは、研究成果や統計データです。
どこどこの農業試験場が栽培実験をして、この品目を栽培するならどれくらいの数値が最適であるかの結論を出した。
という実験データをベースにしていたり。
大規模産地で生産者達が思考錯誤しながら辿りついた現場の数値は、たとえば農協が主導で複数の農家から得られたデータをまとめたものだったり。
これらは現場から得られた最適値です。

だからある程度の根拠があって出てきている数値だと言えます。
根拠に基づいている数値だから正しい。
そう言えなくもないです。

でもよく考えてください。
農業は、結果を左右する不安定要因が多い仕事です。
その農地の土質、化学性や物理性の状況、気候風土、採用する栽培方法などによって、隣り合う生産者であってもまったく違った結果を残してしまうほど、不確定要素が多い。

化学肥料を使えば、粘土質な農地だろうが砂質が強い農地だろうが一定の結果をもたらす効果があるのだとしても、沖縄と北海道では気候風土がまったく違うため肥料の使い方は異なります。

有機肥料を主に使っている農家なら、化学肥料で育てたときと生育スピードに差があることを考慮する必要があります。

書籍に載っている数値は、どんな条件のもとで出されたものなのか。
栽培実験における土壌条件・気候風土・栽培方法を知らなければ、なぜその株間・条間が最適なのかを知ることはできません。

一般的に育てやすい平均値だろう、という見方もできますが、本当に最適値がほしいなら

自分にとっての最適な株間・条間

を探していく必要があるんです。

 

最適値とはなにか

キャベツ畑

そもそも最適値ってなんでしょうか。
なにをもって株間・条間はこれがベスト!と決めているのでしょうか。

この答えは簡単です。

最大収量をとるための最適値

ですね。
同じ面積で栽培したときに、もっとも収穫量が多くなるのはどんな栽植密度のときなのか。
つまり、生産者としてもっとも儲かるための数値が最適値というわけです。

農業はあくまでも商売でなければなりません。
それは農業者であっても業界関係者であっても利益を最大化するためにがんばっていることを考えれば分かると思います。
となれば、販売面で付加価値をつけて高く売るとか、栽培効率化を図って生産コストを下げていくとか、いろんな利益向上策があるなかで、

生産量を多くする

ことが利益に直結することは、誰が考えても明らかな事実ですよね。

同じ手数で同じような面積で育てるなら、可能な限りたくさん採れたほうがいいに決まっています。

だから。
キャベツは株間30cm、畝幅120cm2条植え →10aあたりの株数5500
と書かれているなら、
10aあたりの株数5500で栽培することがキャベツの収量を最大化する
と解釈するといいでしょう。

 

最適値を探す

ではここで。
教科書にある数値をそのまま使うのではなく、自分にとっての最適値を求めるにはどうしたらいいんでしょうか。

その答えは、

とりあえずやってみる

です。

なんだそりゃ!?という答えかもしれませんが、やらないうちから正解は出せません。
まずは教科書数値を使って栽培してみる。
そのあとで、結果をもとに思考を巡らせ、改善点を洗い出し、次は違った数値でやってみる。
という思考錯誤を繰り返していきましょう。
これもやっぱりPDCAですね。

もちろんあらかじめ予想できる部分もあります。
書籍に載っている数値は、あくまでも専業農家が最大収量を得るための数値です。
単一作物でドカーンと作付けをしたときに有効な数値。
もし多品目栽培で畝ごとに作付け品目が違ったりするなら、最適な数値はまったく違ったものになる可能性があります。
たとえばナスでいうと
株間60cm、畝幅180cm →10aあたりの株数900
といった数値が載っていますが、前作との兼ね合いや隣畝との関係を考えると
畝幅180cm
を確保できないことがあったりします。
そんなときは
株間90cm、畝幅120cm →10aあたりの株数900
とする必要があるかもしれません。
(このあたりの特殊な事情については、書いていくと長くなるので別の記事で詳しくお伝えします。)

また別の例でいうと。
肥料を控えめ、もしくは無施肥で栽培していくようなときには、ひと株当たりの栽培面積を大きくして根を広く張らせるほうが有効な場合があります。
であれば、通常よりも栽植密度を低く抑えて、10aあたりの株数を少なくする必要があります。
ふつうなら株間30cmのところを株間45cmにするといったことです。

 

ほかにも、同じ品目でも春作なのか秋作なのかによって違ったり、促成栽培なのか抑制栽培なのかによっても違ったりします。
同じ品種であっても、草勢が強いので株間を広めにとるような品種もあれば、あえて密植栽培にすることで最大収量を得られる品種もあります。
 

あらかじめ予想できることは考慮して株間・条間を決めつつ、
まずはやってみて現場の結果から改善を繰り返していく。
教科書数値をあたりまえに受け入れるだけではなく、
自分にとっての最適値を探し続ける。

という姿勢で栽培をしていくと、効率よく最大収量が得られるようになってきます。
参考にしてみてください。


 

 

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